本書を用いたカリキュラム例#

本章では、本書を用いた大学授業向けのカリキュラム案(全15回 × 3パターン)を紹介します。 授業設計の参考として、ご活用いただければ幸いです。

共通事項#

想定受講者#

  • プログラミング未経験者

  • データ可視化に興味のある学生

授業形態#

  • 授業時間: 90分(講義+演習)

  • 回数: 全15回

前提条件#

  • 第1回は全パターン共通で環境構築を行います。書籍が手元になくても実施可能です

  • 詳細な環境構築手順は本書の再現と発展を参照してください

練習問題の活用#

各章末に用意された練習問題は、以下の方法で活用できます:

  • 授業内演習: 講義後の理解度確認として

  • 宿題: 授業外学習の課題として

  • 試験対策: 期末試験の参考問題として

全74問の練習問題一覧は練習問題一覧で確認できます。

難易度の目安#

各問題には4段階の難易度が設定されています:

難易度

説明

基礎

本文とほぼ同じ処理(パラメータ変更程度)

標準

軽い前処理を含む(データ絞り込み等)

発展

複数ステップの加工、応用的な分析

応用

複雑なデータ結合、高度な可視化技法

難易度別の活用指針#

授業形態

推奨難易度

備考

授業内演習

基礎・標準

授業時間内に完了可能

宿題

標準・発展

自習用として適切

試験対策

発展・応用

理解度確認

チャレンジ課題

応用

意欲的な学生向け


例①:上巻のみ(15回)#

概要#

上巻のみを使用するカリキュラムです。 データ可視化の理論的基盤から始め、マンガ・アニメ・ゲームデータを用いた実践的な分析までを学びます。

到達目標#

  • データ可視化の基本概念と重要性を理解する

  • Pythonを用いたデータ分析の基礎スキルを習得する

  • 目的に応じた適切な可視化手法を選択できる

  • 実データを用いた分析プロジェクトを遂行できる

授業計画#

テーマ

書籍範囲

内容

1

環境構築

環境構築

Docker/Git/Jupyter Lab導入、動作確認

2

データ可視化の定義と分類

上巻1章

データ可視化とは、ビジュアライゼーションの分類、ツール紹介

3

認知科学と可視化の構成要素

上巻1-2章

視覚認知の基礎、視覚属性、座標系、配色

4

可視化手法の概要と留意点

上巻2章

代表的な可視化手法、誤解を招く表現、ベストプラクティス

5

Pythonの基礎

上巻5章 Python

変数、制御構文、関数、リスト

6

Pandasの基礎

上巻5章 Pandas

DataFrame操作、集計、マージ

7

Plotlyの基礎

上巻5章 Plotly

plotly.express、レイアウト調整

8

マンガデータの前処理

上巻3章 前処理

データ取得、読み込み、クレンジング

9

マンガデータの基礎分析

上巻3章 EDA

探索的データ分析、Pandasによる集計、仮説検証の流れ

10

量を見る・分布を見る

上巻4章

棒グラフ、ヒストグラム、密度プロット

11

内訳を見る・関係を見る

上巻4章

円グラフ、積上げ棒グラフ、散布図

12

アニメデータ分析

上巻6章 アニメ

異なるデータソースの前処理と分析

13

ゲームデータ分析

上巻6章 ゲーム

ゲームデータの前処理と分析

14

総合演習

練習問題

学習内容の総復習、実践課題

15

まとめと発展

上巻7章

学習内容の振り返り、発展課題の紹介

参考Notebook#

備考#

  • 第2-4回で理論編(1-2章)を丁寧に扱い、可視化の基礎概念をしっかり理解させます

  • 第5-7回でPython/Pandas/Plotlyの基礎を学んでから実践に入ることで、プログラミング未経験者でも無理なく学習を進められます

  • 第10-11回は4章の内容を圧縮して扱います。詳細は宿題や自習で補完することを推奨します

  • 第14回の総合演習では、練習問題を活用して学習内容の定着を図ります


例②:下巻のみ(15回)#

概要#

下巻のみを使用するカリキュラムです。 様々な可視化手法を体系的に学び、メディア展開データを用いた総合演習で実践力を養います。

Note

このカリキュラムはPythonの基本的な知識(変数、制御構文、リストなど)を前提としています。 プログラミング完全未経験の場合は、パターン①またはパターン③をご検討ください。

到達目標#

  • 目的に応じた可視化手法を適切に選択・実装できる

  • 各可視化手法の特性と適用場面を理解する

  • 複合的なデータセットに対する分析プロジェクトを遂行できる

授業計画#

テーマ

書籍範囲

内容

1

環境構築

環境構築

Docker/Git/Jupyter Lab導入、動作確認

2

量を見る(基礎)

下巻1章 棒グラフ

単純棒グラフ、横棒グラフ

3

量を見る(発展)

下巻1章

集合棒グラフ、積上げ棒グラフ、ヒートマップ

4

分布を見る(基礎)

下巻2章前半

ヒストグラム、密度プロット

5

分布を見る(比較・推移)

下巻2章後半

箱ひげ図、バイオリンプロット、リッジラインプロット

6

内訳を見る(基礎)

下巻3章前半

円グラフ、棒グラフによる割合の可視化

7

内訳を見る(発展)

下巻3章後半

モザイクプロット、ツリーマップ

8

関係を見る(基礎)

下巻4章前半

散布図、バブルチャート

9

関係を見る(多変量)

下巻4章中盤

散布図行列、二次元ヒストグラム

10

関係を見る(時系列)

下巻4章後半

折れ線グラフ、連結散布図

11

メディア展開データの前処理

下巻5章

データ結合、品質確認

12

メディア展開データの可視化(量・分布)

下巻6章前半

量・分布の可視化実践

13

メディア展開データの可視化(内訳・関係)

下巻6章後半

内訳・関係の可視化実践

14

総合演習

練習問題

学習内容の総復習、実践課題

15

総まとめ

-

学習内容の振り返り、発展課題の紹介

参考Notebook#

備考#

  • 「量→分布→内訳→関係」の体系的な順序で可視化手法を学びます

  • 各カテゴリを基礎と発展に分けることで、段階的な理解を促進します

  • 第12-13回のメディア展開データ可視化は2回に拡張し、十分な演習時間を確保しています

  • 第14回の総合演習では、練習問題を活用して学習内容の定着を図ります


例③:上下巻両方(15回)#

概要#

上下巻の両方を使用する集約カリキュラムです。 理論と実践をバランスよく学び、幅広い可視化スキルを効率的に習得します。

到達目標#

  • データ可視化の理論的基盤を理解する

  • 多様な可視化手法を目的に応じて選択・実装できる

  • 複数のデータソースを統合した分析プロジェクトを遂行できる

授業計画#

テーマ

書籍範囲

内容

1

環境構築

環境構築

Docker/Git/Jupyter Lab導入、動作確認

2

データ可視化入門

上巻1章

定義、分類、ツール概要

3

可視化の構成要素と留意点

上巻2章

視覚属性、認知科学、ベストプラクティス

4

マンガデータの前処理と基礎分析

上巻3章

データ取得からEDAまで

5

マンガデータの可視化実践

上巻4章

量・分布・内訳・関係(代表手法)

6

Python/Pandas/Plotly概要

上巻5章

ツールの基礎(ダイジェスト)

7

アニメ・ゲームデータ概要

上巻6章

複数データソースの扱い

8

量を見る手法

下巻1章

棒グラフ、集合棒、積上げ棒、ヒートマップ

9

分布を見る手法①

下巻2章前半

ヒストグラム、密度プロット

10

分布を見る手法②

下巻2章後半

箱ひげ図、バイオリン、リッジライン

11

内訳を見る手法

下巻3章

円グラフ、モザイク、ツリーマップ

12

関係を見る手法①

下巻4章前半

散布図、バブルチャート

13

関係を見る手法②

下巻4章後半

折れ線グラフ、連結散布図

14

メディア展開データ分析

下巻5-6章

総合演習(前処理+可視化)

15

総まとめ

-

学習内容の振り返り、発展課題の紹介

参考Notebook#

上巻

下巻

備考#

  • 上下巻の内容を15回に集約しているため、各回の内容は他のパターンより密度が高くなります

  • 第2-3回の理論編、第6-7回のツール・データ概要は、ダイジェスト的に扱います

  • 受講者の習熟度に応じて、宿題や自習課題として補完することを推奨します


発展#

本カリキュラム修了後の発展として、以下のようなものがありえます:

  • 学生自身が興味のあるデータを用いた自由課題

  • 卒業研究・ゼミ活動でのデータ可視化スキルの応用

  • 本書の発展セクションを参考にした独自分析