9. おわりに#
Summary
1161時間50分38秒は長かったが、楽しかった
「10分でいいからやる」を座右の銘にしたい
まずは家族に恩返しをしたい
本ブログでは、以下の読者を想定し、本書執筆に関わる作業時間を可視化しました:
自分自身 :集中力のない自分といかにつきあっていくか
未来の執筆者 :技術書の執筆にどれくらい時間がかかるか
本書の読者 :本書の裏側で何が起こっていたか
最後に、それぞれの観点でまとめたいと思います。
9.1. 自分自身との付き合い方#
「10分でいいからやる」を座右の銘にしたいと思います。
円グラフによる可視化やヒストグラムによる可視化によると、
作業時間 という観点では、全体のうち約四分の一は30分以下の作業で構成されている
作業回数 という観点では、10分程度の作業が最も多い
ということがわかりました。 私はこの結果を「日々の小さな積み重ねが最終的には大きな成果につながる」と解釈し、とても勇気づけられました。
と同時に、まとまった作業時間を確保することの重要性も明らかになりました。 年別の作業時間内訳を見ると、2024年になって30分以上の作業時間が飛躍的に増加しています。 この時期に本書の多くの部分が完成したことを考えると、「小さく前進し続ける」戦略と「集中的に進める」戦略の両輪で回すことがポイントだったのかもしれません。 改めて、作業環境を支えてくれた家族には心から感謝しています。 特に妻の理解と支援がなければ、この本が完成することはありませんでした。
本書の執筆を通して、 こと私という人間の操縦においては、 「やる気」が起きるのを待つのは得策ではない、ということに気づきました。 そもそも私は怠惰なので、やる気に溢れた日は一年の中で数える程度しかありません。 基本的には常に起き上がりたくない、働きたくないと思っています。
そんな私であっても、手を付け始めてしまえば次第にモチベーションが上がってきます。 様々なブログで言及されていますが、重要なのは 如何に自分を騙し、初動の心理的ハードルを下げるか だと感じています。 私の場合は、とにかく10分だけキーボードを叩くというルールがうまく働きました。 トイレも10分なら我慢できるはず、眠かったら10分後に横になれば良い、と自分に鞭打って、何とか社会生活を送っています。
9.2. 技術書執筆の作業量#
本書の執筆と関連作業には、合計で1160時間以上を費やしました。
棒グラフで示した通り、カテゴリー別の作業時間を見ると、原稿執筆に圧倒的に多くの時間が費やされました。 プロトタイピングや企画立案と比較して、実に約10倍もの時間です。 特に、上巻3-4章や下巻5-6章などのハンズオンを扱う章と、上巻1-2章のように文献調査が必要になる章では、作業時間が突出していました。
本書がやや特殊な作りである点は注意が必要です。 マンガ・アニメ・ゲームデータという特殊なテーマを扱い、可視化と分析のコードをほぼすべて自作し、キャラクターによる対話形式を取り入れ、さらに分冊化するという複雑な構造になりました。 また、私自身も執筆経験が少なく、効率が良かったとは言い難い部分もあります。
しかし、それでも一つの基準にはなるのではないかと思います。 特に、将来の執筆者の方々の参考として、以下のポイントをお伝えしたいと思います:
分量と時間の関係:基礎分析で示したように、本書は上下巻合わせて約80万文字で構成されています。これに約1160時間かかりましたので、単純計算で1万文字あたり14.5時間かかる計算になります。
継続の重要性:毎日少しでも進めることが、長期プロジェクトを完遂する鍵でした。折れ線グラフで示した通り、まとまった時間が取れない日も、10分だけでも作業することで執筆の流れを維持できました。
参考になれば幸いです。
9.3. 本書の舞台裏#
ネガティブなことも書きましたが、本書の執筆は純粋に楽しいものでした。 分析を通して新たな発見がいくつもあり、 これまで以上にマンガ、アニメ、そしてゲームを好きになりました。
連結散布図で見ると、特に2024年前半には執筆作業が最も集中した時期であったことが分かります。 この時期は平均作業時間が大幅に増加し、一方で睡眠時間はわずかに減少しています。 この緊張感のある時期を乗り越えられたのは、ひとえに執筆内容そのものへの関心があったからこそだと思います。 これは本書の中でも何度か述べた「好きなものを分析すると学びが深まる」という主張を、私自身が体現した形になりました。
また、本書にはマンガ、アニメ、ゲームに絡めた小ネタをふんだんに盛り込むことができました。 書籍全体を通したこのような仕掛けは、単著ならではの楽しみの一つです。 読者の皆様にも、同様に楽しんでいただければと願っています。
改めて、日本におけるマンガ、アニメ、ゲームの層の厚さに驚かされました。 メディア芸術データベースだけでも膨大なデータがあり、本書で扱えているのはその片鱗に過ぎません。 この時代の日本に生まれた幸運に感謝しています。
9.4. 今後の予定#
まずは家族に恩返しをしたいです。
なお、本ブログの作成には合計 84時間00分26秒 かかりました[1][2]。
